ryo_tsu’s blog

標準語は消え去り、三点リーダが舞い踊る

【ネタバレあり】錆色のアーマ-繋ぐ-を観劇して、なんやかんや考えたことまとめ【考察ではない】

率直な感想をまとめたわけでもストーリーの考察をしているわけでもないけど、錆色のアーマ―繋ぐ―を観劇していて、考えたり好きなところだったり脱線したりなんとなく歴史を勉強したりしたなんやかんやを徒然なるままに書いてたら長くなったのでまとめ。

 

ネタバレあり

 

〇分かるって、おもしろい

どうにもこうにも日本史が苦手で、初日はキャラクターの顔と名前の一致と前作ザっと履修したのとあらすじだけ捉えていったんですけど、“おおさか”が“大阪”じゃなかった違和感で現実に引き戻されるという残念っぷり。ぐじゃぐじゃっと見えていた線が、淡路島と四国の東の方と日本海側から見た近畿地方になって目の前に現れた時めちゃくちゃ感動した。どこで何が起こっているのか分かることで、錆色のアーマの世界がファンタジーでありつつも“あったかもしれない歴史を今まさに私たちが観測している”のだと、リアルに体感することが出来た。エンターテイメントをより楽しむには、教養が必要だってことを思い出したよね。秀勝3人おるけどどれともちょっと違くない?とか孫一の旗印が八咫烏なんじゃないの??とか逆に学んだことで謎深まった部分もあるんですけど、色々考えあぐねた結果この目の前の歴史を見届けようってところに落ち着いた。かといってゼロ知識でも苦しいということはなく、酒吞茨木の妖コンビが置いてかれそうになる時もいい感じにアーマの世界と繋いでくれる。毎度状況整理感謝って何回も思いましたありがとうございます。

 

〇孫一の言葉はストレート、だからよく刺さる

今作の孫一の台詞に「人間には根っこがない、土の上に立ってるだけでいいんだ」とか「弱いやつってのは自分の弱さを誤魔化してるやつのことだ、だからお前はそのままでいいんだ」とかそんな感じのがあったんですけど、これめちゃくちゃ真っすぐで大好きな台詞。端的でストレート、だから信長や秀勝によく刺さるんだろうな。信長様と孫一が戦闘シーンで刀を合わせて思わず笑っちゃうシーンが染みるんだよな……。しかもこれよくよく考えたらこんだけ自己肯定感高いこと言ってるけど、異人って蔑まれて家族も居場所もなくなった人の中から出てきた言葉なんですよね?ええ……すごすぎんか……???泣いた。だから「自分を捨てたのはお前だけじゃない」がめちゃくちゃ引っ掛かる。逆に、在昌様の言うことは全部信用出来ない。記憶食べたって何!?信長様が言ってたことと在昌様が秀吉に語ってたことちょっと違くない??何でもありか?!在昌様ならなんでもありか!!と納得させられる迫力があるんだよなー在昌様すごい。

 

〇逆2.5次元って、なんなん

アーマの関連インタビューやパンフレット、キャストさんたちのTwitterで、光って見えるワードに“役を生きる”というニュアンスの言葉が多々みうけられる。逆2.5次元、自分が原作、作り上げてきたものへの自信とプライドに満ちてて最高なんだよなぁ……。考えて生み出して混ざって合わさって重なってぶつかっての連続の欠片があの板の上で輝いてるんだろうなぁ……。私、お頭の「まず秀吉の城に乗り込みますっ!」からの間、あそこめちゃめちゃ好きなんですよもうそこで流れてる空気が好き。お頭のくったくのない笑顔につられてしまうし、お頭愛されてんなーってなる。あの空気を0から作ったんかと思うと……はぁ……。初演パンフのスペシャトーク、ギュルギュルギュルって納得しすぎて首がもげる効果音。初演は自己紹介!エンターテイメント!!で楽しいけど、今回の-繋ぐ-は実力がものを言うシーン多すぎてめちゃくちゃ面白い。ゾクゾクする。自分が原作、全部の台詞、行動、目配せに意味がある。どう頑張っても目が足りんし、全方位から狙うしか……アレンジ電光石火の最後の音のタイミングに合わせて蛍火が敵に白眼剥いて、んべーってしてたんですけどあれは夢ですか幻ですか!??!?繋ぐに込められた意味読んで、脳内BGMでB‘z『ねがい』がガンガンに流れてるんだけどいつもの伝わらないやつな、知ってる。

 

〇錆色のアーマって、どういうこと?

『錆色のアーマ』というタイトルを最初に見たとき、アーマは武器のことらしいし、装飾も凝っててどちらかというとピカピカやん?と思った。よくよく見ると英語タイトルが下部についていたので、たいてい英語はストレートに物事を伝えてくれるもんよ、と思って読むと“RUSTED”。アーマはどうやら“錆びている”らしい。なるほど……?

どこかにヒントないかなーと思って探していると、もうね私が考えて捻りだしてこれだわ!!!と思った答え全部最初の元吉さんの挨拶の中にあるんですけど……ええ……。“大事なことは最初に出ている”の典型すぎて?受け取る器の形は都度変わっていくってことなんか。“観客が最後の出演者”の文字に、どうにも心が躍ってしまうんだよな。考えて、それ持って、もっかい観に行きたくなる。錆、輝きの素、心に纏わりつく何やかんや……錆色のアーマって私たちとなんら変わらない『訳ありな男たち』とか、そういうことなのかもしれない。

 

まぁ、知らんけど。

 

おわり